GPIF
GPIFは年金積立金管理運用独立行政法人の事です。
厚生労働省所轄の独立行政法人です。日本の公的年金の内、厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行っています
日本人の大切な年金を運用しているにも関わらず、頻繁に聞く時は、ニュースで年金運用資産が評価損を出した際に年金をリスク資産で運用する事は、いかがなものかと議論が巻き起こり、評価益を出している時は特にニュースにならず終わっています。僕も株式投資を始める前までは同じような考えでした。投資はリスクでプロがするもの、資産が減るリスクがかなり高く安定的に運用するのは困難。銀行預金や国債などで運用する方がいいという意見です。
しかし、世界中では多くに国で年金は株式等で運用されています。
資産規模(2020年3月末)
(単位:兆円)
CalPERS(アメリカ)(カリフォルニア州職員退職年金基金) | 38 |
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CPPIB(カナダ)(カナダ年金制度投資委員会) | 31 |
GPF-G(ノルウェー)(ノルウェー政府年金基金-グローバル) | 125 |
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF) | 151 |
※GPF-G(ノルウェー)は2019年12月末
運用実績の推移(2004年~2019年度)
2004年度 | 2005年度 | 2006年度 | 2007年度 | 2008年度 | 2009年度 | 2010年度 | 2011年度 | 2012年度 | |
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CalPERS | 9.6% | 16.3% | 13.2% | 2.9% | -29.1% | 25.2% | 13.1% | 3.7% | 10.9% |
CPPIB | 8.5% | 15.5% | 12.9% | -0.3% | -18.6% | 14.9% | 11.9% | 6.6% | 10.1% |
GPF-G | 1.0% | 11.5% | 5.6% | -11.4% | -9.5% | 25.5% | 4.9% | 2.8% | 11.0% |
GPIF | 3.4% | 9.9% | 3.7% | -4.6% | -7.6% | 7.9% | -0.3% | 2.3% | 10.2% |
2013年度 | 2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
CalPERS | 13.7% | 6.1% | -0.2% | 10.1% | 11.1% | 3.4% | -0.4% |
CPPIB | 16.5% | 18.7% | 3.7% | 12.2% | 11.6% | 8.9% | 3.1% |
GPF-G | 16.6% | 34.5% | 0.8% | 12.7% | 3.9% | 9.4% | 12.5% |
GPIF | 8.6% | 12.3% | -3.8% | 5.9% | 6.9% | 1.5% | -5.2% |
【出典:GPIFウェブサイト】
上記データはGPIFのHPで閲覧できるものです。運用資産内訳として見たときに、他国に比べて債権比率が高い点など安全性を考慮した運用になっているように感じます。ノルウェー政府年金基金に至っては株式が70%となっており、株式投資に対して抵抗感が強い日本人には受けが悪い内容になっています(笑)
個人的に上記の運用実績を見たときに素直に感じるのは、数値の上下がマイルドという点です。
GPIFは実際いくら運用益を出して年率何%で運用しているのか?
【出典:GPIFウェブサイト】
上記グラフでもわかるように、長期の運用実績で見た時には着実に利益を出しています。ここは特にニュースでは取り上げらず、不思議に思います。リスク資産で運用しているのに年率3.7%しか増えないのか!!!という意見もあると思います。
しかし、この運用利率は低いのでしょうか?
例えばアメリカ全米株式に投資した場合年率6~7%で推移すると言われ、最近ではコロナショック後の鋭角的な指数の戻しがあったため例外もあります。
インデックス投資という言葉は最近一般的になったように感じますが、日経平均株価やsp500などの株価指数に連動した金融商品で運用することを指します。
この株価指数に勝つことはとても難しいと言われています。アメリカの投資ファンドなら毎年指数以上のパフォーマンスを出していると思っていました。短期的な期間ではアウトパフォーマンスしている事もあります。しかし長期の推移で見た場合はアンダーパフォームしています。投資の神様と言われるウォーレン・バフェットの長期で見た運用成績は年平均利回り20%でこれは1965年~現在までの年平均運用利回りです。
衝撃的な数字で投資の神様と言われる所以の一つですね。
個人の積立を参考に考えてみたいと思います。
ちなみに先ほどの3.7%で毎月3万円積立を30年複利運用した場合どおなるでしょうか?
複利計算のシュミレーションは調べれば計算サイトが出てきます。入力して見ると1974万円となります。
しかし積立貯金(利率を0.001%)をした場合では1080万円になります。
その差は1000万円弱となります。たかが3%思われがちですが、個人の資産に変換してもこれだけの差がでます。しかし、これはリスク資産に分散投資した結果になります。
シュミレーションを通して分かる事は預金は減らないけど増えないものという事です。
GPIFの運用資産に株式を組み入れるのは危険だとか理解できないと言っている人は多くいます。それではその意見を取り入れて預金で仮に運用した場合は上記シュミレーションのように全然増えません。年金は少子高齢化に伴い支給額は増加して行き、逆に原資を支払っている世代は減っている状況です。僕も30歳なので将来の年金支給額にはかなり懐疑的な考えを持っています。
結論
GPIFはリスク分散を図りながら、最大限の利益を出すように運用しているように感じます。
個人的な意見
日本人は全体的に株式投資など金を転がして稼ぐ事は不健全で汗水垂らして稼いだ金を重要視します。同じ様に稼いだ100万円でも価値は同じでも性質が違うように感じているようです。
近年FIREがブームとなっています。しかし世間の印象は「働かずに楽している」「社会人として不健全」という意見も聞こえます。
株式投資をしていて思うことはFIREしている人達は並大抵の努力ではないということです。銘柄を選択しリスクを取り、投資資金を捻出するために日々の支出を見直し無駄を省く事をしています。これは楽して稼いでいると言えるのでしょうか?
批判的な意見は羨ましいと思っている人達の嫉妬ではないでしょうか。
自分の人生を思い通りにしたいと願う人の努力の結果を不健全と批判する社会の方が不健全ではないでしょうか。